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| 例会日:平成15年10月2日(木) 12:30〜 |
| 例会場:ホテル辰巳屋8F |
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今日は今年初めての新会員スピーチです。
氏川守義会員(02.08.29入会)は故田中善六パストガバナーの御意志を継がれ、専務取締役(株)クラロンの経営に携わっていらっしゃいます。田中パストガバナーはロータリーの四大奉仕の中で特に職業奉仕にご熱心で、その精神をご自分の会社で実践され社会的にも大きな功績を残されたことは皆さんもご存知のことと思います。10月は“職業奉仕月間”です。昨年度のビチャイ・ラタクルRI会長は職業奉仕月間について、次のように話しています。 「この月間に、私達はビジネスを改善し、若者達に職業訓練や技術を、障害者には仕事を提供する為に、職能を発揮するべきです。ロータリーは社会に貢献する限りない機会を提供します。」 氏川会員には“障害者に導かれて”という題でお話をいただくことになっていますが、月間に相応しい内容ではなかろうかとご期待を申し上げる次第です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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『Lend a Hand 手を貸そう』と言う本年度のテーマに因み、今日は障害者の雇用と日々の障害者との関わりについてお話しさせて頂きます。
私どもクラロンの前社長、田中善六は社会的弱者であります障害者の雇用に取り組んで32年、企業の社会貢献として常にそのことに使命感を以って臨んで参りました。そこで私は経営者の立場でなく、生産現場における視点からお話したいと思います。
弊社は主として学校の運動着を製造及び販売している会社です。昭和34年に前社長が創り、今年で創立44年になります。 ところで、私がクラロンが知的障害者を雇用していることを知りましたのは、8年前、関西の紡績会社に勤務していた時に田中社長と初めて出会った時のことでした。私は内心「これは大変だ」と不安を感じました。それと申しますのも、それまで知的障害者に対して私の心の中で、ある種のイメージが出来上がっていたからです。 小学校の頃、通学路に洋服店がありまして、そのショーウィンドウの中に時折その家の幼い娘が座っていました。涎を垂らし、口を開け、夏は裸で、何時もじっと往来をながめていました。あれは白痴だと人から教わりました。差別用語ですので今では重度の知的障害者と言うのでしょうが、当時はそんな言葉があったのかどうか。こうした僅かな経験から知的障害者に対する先入観のようなものが出来上がっていたのです。 大阪で田中社長にお会いしてから2ヶ月後、それはクラロン入社の4ヶ月前のことですが、家内を伴って福島に工場見学に行きました。そこで見たのは40人の障害者達が生き生きと働く姿でした。知的障害者でも訓練次第でここまでやれるようになるのかと感心して、心の中で瞬く間に障害者に対するイメージが変化していくのを感じました。 その後、私は紡績会社を定年退職しクラロンに参りましたが、入社して間も無い頃、現場の状況を見るにつけ、作業効率の改善の必要性を強く感じました。そこでそれまでなかった標準動作を設定するために、手始めに作業測定を行ってみました。すると忽ち社長から「待った」が掛かりました。「なぜいけないのですか?」と聞きますと、社長は「個人個人の能率を上げていくことは大切だが、あまりにも能率を前面に出して、各班で能力を競わせたり、各人の能力を数値としてはっきり出すようなことになると、障害のある人達の居場所がなくなる」という事でした。生産効率を金科玉条のように考えてきた私にとって、これは正にカルチャーショックでした。社長として生産効率や採算ということが片時も頭を離れないはずはありません。しかし、障害者を雇用していくためには、時に応じ、その点に目をつぶる覚悟が必要なのだと思いました。とかく効率に囚われる私に、社長は折に触れ、障害のある人達を指導・育成してきた経験、失敗と成功の数々の事例を話してくれました。障害者雇用の語り部として、障害者に対する理解を深めさせ、企業の目的が単に利益の追求だけであってはならないことを教えたかったのだと思います。 ところで知的障害者と一口に言っても、性格は様々ですし、その知的能力のレベルの範囲は広いといえます。又、能力と言っても様々な面があり、中には特技を持っている者もいます。例えば、山下清には遠く及ばないにしても、絵が上手であったり、又、歌を歌わせたら結構上手な者がいたりもします。知的障害者とは一体何でしょうか。私自身を省みると、よく物忘れをします。ダビンチやアインシュタインの様な古今東西の天才と較べるまでもなく、身の回りにいる優秀な人と較べても、自分の至らなさを思うにつけ、自分が知的障害者とどう違うのかなどと、時に考えたりもします。身体障害者と違って、知的障害者は知能指数など人が便宜上決めた基準を以って区別された人々です。神様が決めたわけでは無いし、絶対的尺度があるわけでもありません。彼らの多くは自立がより困難な人だからと、国がいろいろな面で保護することはよいのですが、そのレッテルによって、人としての幸せを奪っているといった側面もあります。ですから仕事が出来る潜在的能力のある障害者には、企業は普通の人としての幸せが得られるよう手を差し延べなければならないのです。 先日、福島県心身障害者福祉大会に、企業に長年勤続して障害を克服し優秀な成績を収めている人を表彰するので該当者があれば推薦するようにとの話がありました。私は当社の社員で、中学の特殊学級を出て勤続27年になる縫製をしている女子社員を推薦しようと、本人の意向を確かめたところ、意外にも断固として断られました。色々聞いてみると、本人は特殊学級の出であることや障害者の認定を受けていることなど、今更人に再認識されたくもないし、自分でも忘れたがっていることが分かりました。障害者として認定されてこそ庇護され生きる道も出来るのかもしれませんが、一方では人格をスポイルしているのではないでしょうか。ですから、自立できるようになり、技能もある程度のレベルに達した人たちに対しては、私たちは障害者のレッテルをはずしてやり、普通の人として接してあげなければならないのではないかと考えました。 さて私は昨年10月、熊本県で開催された全国障害者技能競技大会の会場で観衆に混じって、たくさんの障害を持つ競技者が訓練の成果であるその技を競い合う光景を見つめていました。和裁、洋裁、縫製、歯科技工、ワープロ、など12種目の競技がある中で、職業柄最も関心がある縫製の競技を中心に見学しました。競技はエプロンの縫製ですが、流石に全国から選抜された人たちだけに、12人の出場者は何れも極めて高度の技能を持っており、縫製の他にアイロン掛け、チャコやへらを使っての印しつけ、物差しで寸法の測定といった複合作業を見事にこなしており、これでも知的障害のある人達であろうかと疑われる位でした。それに引き換え当社では、これまで知的障害のある従業員には、単一の作業しかさせていなかったので、こうして複雑な作業を行っている様子を間の当たりにして、我々が、自社の障害者の能力に対する先入観から多能化に対する教育訓練を怠っていただけではないか、とも思えました。 私がこの競技に関心を持って見学したのには、実はもう一つの理由があったのです。それは、11月に福島県における第1回目として開催される障害者技能競技大会(ふくしまアビリンピック2002)の縫製競技への参加の可能性が出てきたからでした。それもあって、熊本での体験は大変参考になりました。しかし一方で出場者の技能レベルの余りの高さに、自社の従業員のレベルを思い起こすにつけ、すっかり自信をなくしてしまいました。 熊本から帰って間もなく、ふくしまアビリンピック2002の縫製部門への出場申し込みをしました。正子と真理(仮名)という、共に中卒で入社10年のミシン工でした。大会までの3週間、製造部長にお願いし連日のマン・ツー・マンの特訓を行って貰いました。これまでジャージのニット生地は縫ってもエプロンの織物を扱ったことがなく、ましてアイロンや定規を扱うのも初めてでした。最初は途方に暮れる感がありましたが、当人たちも製造部長も必死でした。日に日に出来栄えが良くなっていくのが分かるのが嬉しくてなりませんでした。そして大会の3日前には自力で何とか完成するところまで至りました。もう90%は大丈夫だと思いました。 さて大会当日、会場の福島職業能力開発促進センターの一室で縫製の競技が始まり、7人の出場者がその技を競いました。観衆の中には用事の合間を縫って駆けつけた須美子現社長の姿もありましたが、ロープを隔てた遠くからでは励ましの声をかけることも叶わずもどかしい様子でした。昼食をはさんで3時間、ひたすら取り組む二人の姿を見つめているとその必死さに胸が熱くなるのを覚えました。制限時間の直前、2人はほぼ同時に完成しました。懸命の戦いを終えて正子は縫い上げたエプロンを片手に、ミシンの脇に放心したように立っていました。真理はまだ不安があるのか、エプロンを広げてじっと見つめたままでした。私はロープを飛び越えて2人の肩を抱き寄せて、思いつく限りの言葉で健闘を称えてあげたい衝動をかろうじて抑えました。競技終了後、成績発表、表彰が行われました。他の表彰が行われる間、私はせめて1人でも努力賞に入れば、とソワソワと落ち着かない時を過ごしました。 いよいよ縫製部門発表の番、優秀賞受賞者の名前を聞いたときには、飛び上がる思いがしました。あの正子がまさかの優秀賞とは。賞状を受ける説きの作法も教えてなかったのを思い出して内心慌てましたが、人の心配をよそに、本人は淡々と作法通りに賞状をいただきました。講評によると、いずれも僅少差だったとのこと。それもそうでしょう。観察したところでは、7人が皆一生懸命取り組み、どのエプロンも素晴らしい出来栄えに見えたのですから。 人には計り知れないほどの能力が秘められていると言われます。天は志と明確な目標、そして強い信念を持つ者に力と機会を与えると言います。目標に向かって着実に進めば必ず成果が得られる、そして成功が次の成功を呼び、人はそれによって成長するとも言います。それは健常者ばかりではありません。障害者でも、高齢者でも同じこと。誰でも一生、目標にチャレンジし続けなければなりません。その為には、人にも、また自分にも勝手にその能力に限界を決めて掛かってはならないと思うのです。 終わってから私は、正子にも、真理にも、そして製造部長にも心からねぎらいと感謝の気持ちを述べました。今回、ささやかではありますが、チャレンジし、それが達成出来たことに、ほのかな満足感がありました。平素障害者を指導・育成の対象と考えていましたが、逆に彼女たちから貴重なことを教えてもらったように思えてなりませんでした。 私はクラロンに入社して8年、職場の障害のある人達と共に働くことを通じ、彼らから多くのものを学んだことに、心から喜びを感じております。 (文責 会報委員会) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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待望の福島秋の競馬が10月25日より4週8日間にわたって開催されます。それに先立ちまして、会員の親睦と情報交換を兼ねまして、【競馬を楽しむロータリアンの会】を下記のように開催することになりました。秋の夜長、競馬談義に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。会員はもちろんのこと、会員以外の方も気軽に参加していただきたいと思います。
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