
毎年、全国で6万件以上の火災が発生し1件あたり約290万円の損害が発生貴重な財産が失われております。発生した火災にはそれぞれ原因がありその9割以上が人災によるものでちょっとした不注意から貴重な財産や時には人間の命まで奪われる事もあります。
さて愛煙家にとって大都市の一部では屋外でもたばこを吸うことが出来ない等、非常に肩身の狭い社会環境になってまいりました。このたばこを吸うために欠かせないのがライター類の存在、以前はマッチを使いたばこに火を付けて紫煙を漂わせていたものでしたが、今ポケットにマッチを入れてという愛煙家はほとんど見かけなくなってしまいました。
しかしこのマッチやライターが原因による火災が後を立ちません。
日本にマッチがお目見えしたのは、嘉永6年(1853年)ペリーが浦賀に来航し鎖国を解いてからと言われています、国内では元金澤藩士清水誠が東京で明治の8年頃から製造を始めたといわれており、それ以前は火を手に入れるということは容易なことではなかったようです。マッチが製造されたからといっても庶民にはまだまだ高価なものであり、苦労して手に入れた火は非常に貴重なものであり使い終われば火種として大切に保存され出来るだけ火を絶やさないようにしていたものです。更に当時の建築様式は多くが木造で藁葺屋根といったように、火災には非常に弱い構造であったため火の貴重さと恐ろしさが背中合わせであったことから火災予防については、今以上に神経を研ぎ澄ましていたものと推測されます。
いまナイフで鉛筆を削れない子どもさんが多いと言われております、同じ事が火についても言われるのではないかと思われます。数十年前までは風呂を沸かすのも、食事の準備も、暖をとるにも今のようにスイッチ1つで目的がかなうと言う訳には参りませんでした、当然のように子どもたちは小さなうちから家事の手伝いの中で火と係わり合って生活を営んでおり、生活の中から火の便利さや恐ろしさを覚え火の扱い方も自然に体得していたようです。

年少者が火と係わりあう機会が非常に少なくなっています。そこで私なりにこんなことを考えております。やみくもに火遊びを勧める訳にはいきません。そこでキャンプや芋煮会等で経験者の立会いのもと年少者にマッチ等を使って物を燃やしそのエネルギーで物を作り上げる等火と真剣に向かわせながら火の便利さ、重要性、必要性を教えていただき併せて火の恐ろしさ、危険性を実際の体験により覚えていただければこれらが原因による火災が起きることは少なくなるのではないかと考えております。
貴重な財産を奪われ場合によっては命と引き替えとなる火災を未然に防ぐのは容易なことではありません。全ての年齢層の方々に火災予防の思想を普及するのが我々に与えられた課題ですが、いずれにしましても市民の方々の協力がなければこの目的を達成することが出来ませんので皆様方のご協力を是非お願いし結びといたします。