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みなさんの中の幾人もから、少年時代に阿武隈川で泳いだり、魚釣りをして、釣った魚を持ち帰って食べたという話を聞きました。私にも同じ思い出があります。
川や湖の水が汚れるのは、窒素やリン、あるいはさまざまな有機物が流れ込むからです。これらが川や湖に多量に流入すると、増えては困る植物などが増えてしまいます。湖などではアオコや藻が大量発生し魚が住めなくなってしまいます。いわゆる「赤潮」です。赤潮よりもっと深刻なのは青潮です。海がうっすらと白くなり、あらゆる魚介類が死滅します。東京湾などで時々起きています。
昔は、こうしたことがありませんでした。窒素やリンも、森→川→海などの自然の循環によって、どこにも適量に存在していたからです。しかし、今の日本には、化学的に作り出した食べ物や肥料のせいで、自然循環では消化できない多量の窒素とリンであふれています。何億年も続いた自然の循環をこの50年ぐらいの間で破壊しつつあります。
未来に、私達の子供や孫の時代に大きな不安がよぎります。
東京の多摩川にアゴヒゲアザラシが現れ、その過剰な報道のせいかもしれないが、「タマちゃん」と呼ばれてアイドルになっていました。ところが「タマちゃん」は、何を思ったのか水質の悪い鶴見川に引っ越し、下痢をするのではないかとか傷からばい菌が入り死ぬのではないかなどとニュースでコメントする放送局があって視聴者をハラハラ心配させています。
川のBODと清らかさの全国順位を申し上げますと、多摩川のBODは1.8mg/リットルで全国の主要な166河川の中で138位、鶴見川は、BOD5.1mg/リットル、順位164位です。つまり、鶴見川は多摩川より約3倍汚れていて、清らかさの全国順位はワースト3位ですから、「タマちゃん」が心配されるのも無理はありません。
ちなみに、我が阿武隈川は2.1mg/リットルで、全国順位は166河川中、151位(東北の河川11本の中で最下位)です。
さて、川や湖の汚れの原因が、自然の浄化能力を超えた多量の窒素、リン等の流入にあることは縷縷(るる)申し上げてきましたが、こうした状況をもたらしているのは、いわば20世紀後半に人々が、豊かで快適、便利な生活を追い求めてきた、その裏腹に清流を失うという犠牲を払うことになったわけです。
そしてもうひとつ、阿武隈川の水量が少ないことも汚濁率を高める結果につながっています。阿武隈川の水量が少ない大きな理由はふたつあります。ひとつは、森林伐採が進み、森林の保水力弱いため。ふたつめは、利水量が多いことです。100万人もの人が、常に水道水として使ったり、農業・工業などの産業水として活用しているからです。
一番の影響は、水道水がおいしくなく、しかも水道料金が高くなるということです。
川の汚れは、私達の生活への影響だけでなく、動植物の生態系の変化をもたらすことは言うまでもありません。
排水対策と水量増加対策の両面からアプローチ
20世紀型の豊かで便利、快適、効率的といった社会生活そのものが、水質、もっといえば環境を悪化させてきているわけですから、これからは、「痛み」をともないつつも自然環境との共生型のライフスタイルに変えていかなければ、この問題は解決できません。私達、流域住民一人一人がそうした意識を持つように啓発することからスタートして行く必要があると考えます。
森林の増加などの水源の涵養と流域住民の節水努力を積み重ねる必要があります。2年前、白河ロータリークラブが、例会に来て“一緒に那須甲子高原にブナの植林をしませんか”と呼びかけられたのを覚えています。白河ロータリークラブの活動は、今年県が選ぶ「ふるさと創り賞」に選ばれ、福島県代表として総務省の選定委員会へ推薦されたはずです。森林づくりは、長い年月を要する地道な活動ですが、できればわがロータリークラブでも今年度から白河ロータリークラブのお手伝いを積極的に進めてはいかがでしょうか。
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