|
「生と死を考える福島の会」の目的は、(1)死への準備教育、(2)終末期医療の充実とホスピスケアの研究、(3)死別体験者の分かち合いの三つです。これらの現実の課題を地域の人たちとともに学び理解を深めながら、地域が望ましい環境になることを目指しています。
今の時代、自分が願う死を実現するには、意識的に生と死について学び死に備える必要があると思います。人は死にゆく存在であり、いのちが有限であることが認識できれば、一人ひとりの「いのち」がいかに大切でかけがえのないものかが分かります。
<死を考え語り合う大切さ>
日常の活動を通して、夫婦同士が普段から自分の死や家族の死をタブー化せずに考えたり語り合うことの大切さを痛切に感じています。配偶者を亡くされた方は、こんなに早く死別するとは思わなかったこと、いつもたった一人で過ごさなければならないつらさ、連れ合いがいない人生のむなしさ、よい看取りができなかったことの後悔、一人暮らしの切ない寂しさや孤独感などを語られます。加えて、男性の場合は妻まかせであった家事の処理、近隣との交際の問題、これから何を目標に生きていってよいのかわからないこと、女性は夫がいない世間の目や子供の教育の困難、経済的問題などを訴えられています。
<悲しみを他者への慈しみに>
悲しむことができるのはお互いが深い愛で結ばれていたからに他なりません。多くの人は、亡くなった人が自分をどんなに愛したか、自分もその人をどれほど深く愛していたかを、配偶者を失ってはじめて気がつきます。その後、死別のつらさを乗り越えて悲しみを他者への慈しみに変えられて、ボランティア活動や奉仕の生活を心がけ実践される方は少なくありません。悲しみは死せる人たちからの愛のメッセージと言ってよいのです。
<何よりもまず夫婦で助け合う>
高齢社会になり老老介護が当たり前の時代がやってきます。豊かな老後を送るためには家族間の支え合いがますます必要になります。特に、夫婦間でのお互いの支え合いが不可欠になるでしょう。無論、従来のような家族間だけでは高齢社会は乗り切れませんので、医療や福祉を充実していくのも重要です。しかし、何よりも、まず夫婦で助け合っていくのが肝要です。今から、元気なうちから、お互いを大切にし合うことこそが、病んだときも死にゆくときも大切にし合えるのだと思います。これこそが人生の輝く日々であり、ここから真の「愛の恵み」が残されます。
<人は生きてきたように死んでいく>
「生きているときに、元気なときに、死について話し合っておけばよかった」と、死別体験者の方々が異口同音に話されます。言い換えれば、結局、最後に問われるのはその人自身の生き方そのものであるということです。「人は生きてきたように死んでいく」とよく言われますが、まさにそのとおりであると、日々の活動から実感しています。
自分が死んだとき、涙を流してもらえるのはどなたでしょうか。その方を普段からだれよりも大切にされているでしょうか。
| ■ゲストスピーカー略歴 |
| 海野志ん子(ウンノシンコ)さま <昭和22年9月生まれ 郡山市出身> |
 |
| [学 歴] |
福島大学経済学部卒 東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科(死生学専攻)在学中 |
| [現 職] |
桜の聖母短期大学非常勤講師 |
| [活動歴] |
生と死を考える福島の会会長 |
|
上智大学教授アルフォンス・デーケン先生との出会いを契機に、東京・生と死を考える会に入会。同氏のご指導を受ける。
地域で「生と死」についての学習の推進やボランティア活動に従事中。
特に現在は、2年後に福島県で開催予定の「日本ホスピス在宅ケア研究会全国大会」の準備に奔走。大会長に就任の予定。 |
|
|
| ▲スピーチTOP |
|