「職業奉仕」
私は阿久津ガバナーの「新会員研修会」で、ロータリーの綱領における職業奉仕の精神と、「事業および専門職務の道徳的水準を高めること」の重要性を教えていただきました。私の会社は、「職業分類」の上では製造業となっておりますが、産業廃棄物収集・運搬業も営んでおります。そこで今日は「ゴミ問題」について、お話をさせていただきます。
まずはじめに、奉仕の精神とはかけ離れた事例をお話ししなければなりません。それは最近ニュースになっております「青森・岩手の県境での産業廃棄物の不法投棄」の問題です。
首都圏より運び込まれたゴミの総量は82万m3。東京・霞ヶ関ビル一杯半分にもなります。不法投棄をした産廃業者は計画倒産しました。これは不良業者の常套手段です。悪質な業者はこうしたことをまた別なところで繰り返すのです。環境省が特別立法により費用の半額援助しますが、その費用は民間の試算で、搬出用の新道路整備費用だけでも、600億円〜800億円。岩手県側計画だけでも、処分には8年程度。費用はトン当たり7万円掛かると考えられています。現実に心無い業者の行いが、これだけ莫大な負の遺産を生み出す結果となっています。
「ゴミ処理での環境破壊」
しかし、現実には不法投棄だけではなく、通常のゴミ処分にも多くの問題があります。焼却・埋め立てといった従来の処理方法には次のような問題があります。
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(1) | 大気汚染 |  | ダイオキシン汚染。 |
| (2) | 地球温暖化 | オゾン層の破壊。 |
| (3) | 水問題 | 汚濁排水、地下水の汚染。 |
循環型(リサイクル)社会
こうした社会背景から2000年には「循環型社会形成推進基本法」をはじめとする各種法整備がなされ、大量廃棄社会から循環型社会への脱皮が法制化されました。このなかで廃棄物処理の優先順位が決められ、〔1〕発生抑止 〔2〕再使用 〔3〕再生利用 〔4〕熱回収 〔5〕適正処分と決まりました。ここでペットボトルの分別収集のしかたをご覧いただきましたが、各ご家庭でのご負担もさることながら、その製品の種類の多さに驚かされます。残念ながら発生抑止の動機付けは無く、現実には大量廃棄・大量リサイクル社会となっているのが実情です。
循環型社会への改革と永続的取り組み
こうした問題を解決して行くためには、「住民・消費者・事業者・行政」が責任と費用をそれぞれ分担する社会へ切り替えて行かねばなりません。また事業者にはゴミの排出者責任があります。今後はリサイクルを考えた物づくりが不可欠です。このままでは環境負荷の増大は避けられません。環境問題は永続性が基本の長期的視野を必要とした計画が必要です。しかし、経済は短期的視野に立った効率重視の物であり、利益が相反します。そのため循環型社会の形成には、「社会生活の改革」とグローバル(地球規模)での取り組みが必要です。
慈愛の種を播きましょう
循環型社会の確立とは、自然の恵み(地球環境・自然・資源)を次世代の孫、子供たちへ渡していくのが目的のものであり、「循環社会確立」はそのための手段です。ゴミを捨てる。こんな単純な事からでも、慈愛の種を播くことができると思います。そのために、私たちは「職業奉仕」の精神において自らの事業の廃棄物問題を考え、また各々の日々の生活を改めて行かなければならないと思います。