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福島ロータリークラブ≪例会≫
例会日:平成15年2月20日(木) 12:30〜 
例会場:ホテル辰巳屋8F 
≪今週のことば≫『東北地区私大就職教で“職業奉仕”』  河田 亨 会長
 2月20日(木)は当クラブの例会日。私は会長就任以来、はじめて欠席、他クラブでのメークアップを選択した。実は当日、東北6県の19の私立大学で構成する「就職問題協議会」が郡山市内で開催され、その基調講演を仰せつかったのである。

 デフレ不況をモロに被り、新規学卒者の就職戦線は過去に経験したことのない大氷河期に直面している。そこで、就職担当の教授や事務方がチエをしぼり合おうということになったわけで、当番校の郡山女子大で非常勤講師を務めながら、日本記者クラブ会員としてジャーナリストの端くれでもある私にスピーカーのお鉢が回って来た次第だ。

 例会も大事だが、“職業奉仕”という大義名分もある。このため、クラブの役員にも了解を頂き、協議会に出向いたが、集まった50余人の先生や部課長らは時節柄、みんな真剣なまなざしだった。テーマは『転機の経済と世相』。つまり、景気の行方や社会の動き、さらに最近の学生気質をズバズバ斬ってくれ、というのである。私はエコノミストでも経済通でもない。しかし、誰もが経験できない新聞記者と中小企業経営者を長年務め、かたわら20余年間も大学の教壇に立っている。まさに「ヘンな男」だ。だから、“異分子の言い分”に参会者は新鮮味を覚えたのかもしれない。熱心にご清聴頂いた。

 私は予測される21世紀の日本の社会現象を5つあげた。
 〔1〕少子・高齢化  〔2〕国際化  〔3〕情報化  〔4〕多様化  〔5〕競争・差別化――そして「平成不況はまだまだ続く。デフレ不況が当たり前になる」と断じた。とりわけ、日本にとっての致命傷は「少子化」だと指摘した。新潮社『フォーサイト』3月号が「人口の衝突」という特集を組んだ。その中にスティブル・ベルという在ロンドンのエコノミストの論文が載っている。題は『日本の少子化はデフレを悪化させる』。氏の説によると日本の前途はぞくぞくするほど危いのである。

 講演の結びで、私は「就職に勝つための当世大学生5カ条」を示した。卒業証書はせいぜいパスポートの役割しか果たしてくれない。あとは自分で対処するしかないのである。

 1つ、学生は外国語に強くなれ。
 2つ、学生は特技を身に付けよ。
 3つ、学生は競争に打ち勝つ心身を鍛えよ。
 4つ、学生はプロになる準備をすすめよ。
 5つ、学生は感性豊かな人間になれ。

≪新会員スピーチ≫ 『フランス駐在雑感』  坂田 洋一 会員
 今、まさにイラク攻撃をめぐって世界が2分しようとしているさ中でありますが、明確に反対を唱えるフランス、ドイツ等に比べ、我が国は旗色鮮明にせず様子見の姿勢は世界の批判を浴びそうな感があります。銀行に入行致しまして24年近く経ちますが、そのうちの3分の1近い7年間をフランスに駐在した体験から、日仏の違いを交えながら感じた事をいくつかお話しさせていただきたいと思います。

 <自己責任>
 まず、痛感致しましたのは、自己責任の考え方。自分の行動には自分で責任を持つ。行動が合理的で利益があり、明らかに他人に多大な迷惑をかけないと思えば平気でルール違反も行います。例えば、歩行者の道路の横断。横断歩道以外でも平気で道路を横断しますし、歩行者用信号が赤でも、渋滞で車が停車したりすると、即座に道路を渡り始めます。或いは、車の制限速度違反。一般道でも高速道路でもまず制限速度は守りません。また、この考え方は観光地でもみられます。例えば、南仏アビニョン近郊の世界遺産のポン・デュ・ガール。2千年前のローマ時代の水道橋ですが、高さ約50mある一番上を平気で歩く事ができました。手摺等は全くなく、足を踏み外せば川に転落してしまうにもかかわらずです。日本だったら当然、立ち入り禁止でしょう。

 <沈黙は罪>
 次に感じたのは、沈黙は決して褒められないということです。彼らは、学校の授業や、会社の会議でも必ず何か発言します。その根底にあるのは、自己の存在感を示す事および相手に同意できない場合は必ず反論するということだと思います。沈黙は同意を意味するわけです。非常に印象的な私の体験があります。パリ近郊をドライブ中スピード違反でつかまったことがありました。私は日本男児らしく潔く罪を認め罰金を払う覚悟をしましたが、フランスの場合、即座に違反切符を切られるわけではなく、裁判所に召喚されることになっていました。しかしながら、スピード違反は明白、裁判は平日、しかも当然フランス語ですから、裁判なんかにでても無駄と思い、フランス人の行員に話したら、「何を言っているんだ。絶対裁判所に行って抗弁しなさい。黙って罪を認めるなんてもっての外だ。」というわけです。しかし、そんなことで会社を休むわけにはいかないというと、それなら手紙を出して抗弁しろというわけです。でもスピード違反をした言い訳など思いつかないというと、何かないのかというので、妻が妊娠しているという話をしたら「それだ!」と言って、妊娠中の妻が急に気分が悪くなったため病院へ行こうと急いでいた云々という手紙を書いてくれました。彼らにしてみれば黙って罪を認めるなどというのは考えられないようでした。

 <子供の扱い、子供の教育>
 それから、日本との違いを強く感じた点は、子供の扱いおよび子供の教育です。フランスでは「子供は犬以下だ」とよく言われていました。例えばレストランです。そんなに高級でもないレストランでも子供の姿をみることはまずありません。子供はシャットアウト。ところが犬はOK。ご主人のテーブルの下におとなしく座っていることはよくあります。日本であれば衛生上好ましくないとかですぐクレームでしょう。また、教育観で彼我の違いを痛切に感じた事は、子供向けテレビ番組に関してでした。日本のテレビアニメは世界中で放映されており、フランスにおいてもアンパンマン、ドラえもん等が子供たちに人気でした。ところが、日本のアニメは教育上好ましくないというフランス人の親からの投書があり、理由は、「日本のアニメは、正義は必ず勝つといった内容になっているが、実際の世の中は必ずしもそうではない。それは、子供たちに幻想を抱かせるもので、現実をしっかり捉える目を子供たちから奪うものだ。」というものでした。これを聞いてうーんと唸ってしまいました。

また、弱者へのいたわりという事に関しては、素晴らしい教育をしていると思います。家内がフランス滞在中にとても感激したことがあります。それは、妊娠中、地下鉄やバスに乗ったときに、大人は当然のことながら、小学校の低学年と思われる子供でさえ、家内が妊婦であることに気づくとさっと席を譲ってくれたことでした。また、出産後乳母車をかかえて駅の階段を上り下りするときも、すぐに子供が飛んできて助けてくれたようです。この辺にもフランスがイラク攻撃に反対する由縁がありそうな気もします。

 以上いくつかお話ししましたが、当然私の見方、感じ方は一面的であり、異論をお持ちの方もいらっしゃると思います。ただ、総じていえることは、フランス人というのは、いいにつけ、悪いにつけ、周りの意見に惑わされる事なく、自分乃至自分たちにとって、何が一番いいのかを自分の頭で考えて、発言し行動する国民なのではないかと思います。翻って自分はどうかと考えたとき、イラク攻撃に関するわが国の姿勢を偉そうには批判できないなと考える次第であります。ご清聴有難うございました。


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