今年の「日本新語・流行語大賞」(自由国民社主催)が3日発表され、『タマちゃん』と『W杯(中津江村)』が大賞に選ばれた。
タマちゃんはこれまで日本で生存したことがないアゴヒゲアザラシの子供だ。8月7日、突然、東京都の多摩川に姿を見せた。川崎市の会社員(36)が第1発見者としてビデオに収め、フジテレビ系の女性リポーター(29)が「タマちゃん」と名付けて放映。マスコミ各社はこの珍事を競うように報じて、一躍、茶の間の人気者になった。
川畔には、連日のように見物客が殺到、「見えた」「姿をかくした」「どこへ消えた」など“騒動”は全国に波及した。「暗い世相の裏返し。世の中はほのぼのとしたニュースを求めている」とは選考委員・俵万智さんの評(読売新聞)である。
その『タマちゃん』受賞の報道で、私の脳裏をよぎったのが、当クラブの会員・井原達夫NHK福島放送局長のカオと熱弁だった。10月19日、RI2530地区大会のパネルディスカッションは「ふる里の水をきれいにするために」。シンポジストの井原さんは力説した。「タマちゃんが泳ぎ着いた多摩川は決してきれいな川じゃない。全国一級河川166本の138番目という汚染度だ。その多摩川よりも阿武隈川はもっときたない。151番目。下から15番目ですよ。タマちゃんが来てから、多摩川周辺では生活排水の流入を阻止する運動がはじまった。阿武隈でも頑張りましょう…」。
タマちゃんは、その後、神奈川県の鶴見川を経て、今は帷子(かたびら)川に。受賞の日、18日ぶりに英姿を現し、護岸でゴロゴロ。“喜びのポーズ”をカメラマンに演じてみせた。
タマちゃんはオス。生後1年前後と推測される。人間で言うと4、5才の子供だ。従って生殖期を迎える3、4年くらい後までは東京湾や周辺の川に住むのではないか。生殖期になると、メスを求めて外洋に出るかも知れん―専門家の説だが、それまで、わが阿武隈川はどれくらいきれいになるものか。タマちゃんとの競争?が始まったのである。