皆様と例会でお会いするのは7月11日以来であります。
はじめに、地区大会の御礼を申し上げます。
ガバナーにとって地区大会は最も大きなイベントであります。盛会裏に終了できましたことは、木下実行委員長はじめ、皆様福島ロータリークラブの総力を挙げて頂いた結果であります。心より御礼申し上げます。
RI会長代理ウィリアムス・ボイド氏からメールが届き、最大級の賛辞と感謝が述べられていました。
本日は、福島ロータリークラブへの公式訪問として参りましたが、7月9日喜多方ロータリークラブから始まり最終日を迎えました。
公式訪問の際は、助けて頂いている地区の委員の方を私から紹介させて頂いております。
クラブ奉仕、会員増強委員 三宅 喬会員、国際奉仕委員長 白岩康夫会員、新世代委員会、ローターアクト委員 渡辺健寿会員、ロータリー財団推進委員 加藤義朋会員、その他地区の役員が大勢いらっしゃいます。
ロータリー財団に関して、最優先課題として求められているのは「ポリオ撲滅募金活動キャンペーン」であります。
1985年から始まったロータリー歴史上最大のプロジェクトでありますので、何としても撲滅宣言まで漕ぎ着けたいというのが念願ですので、皆様のご協力をお願い申し上げます。
ガバナーとなりました時、「ガバナー」の意味を調べましたが、Governは、ラテン語で「船の舵を取る」という意味があります。従って、Governorは「舵を取る人」ということになります。
船のことで思い出すことは、東力崎 潔氏であります。日本人でRI会長となられました方は二人だけで、東京出身の東力崎氏と大分出身の向笠広次氏です。
因みに、アメリカ人は55人がなっております。
東力崎氏のテーマは、日本語では「参加し、敢行しよう」ですが、英語の原文では、「Participate」という短い言葉で表されたため、理解出来ないという質問がありました。
これに対し、東力崎氏は船に例え、船には「乗務員として自分の職場を持ち、勤めを果たしている人=Participateと単なる乗客として乗っている人=Joinとがいる。ロータリアンは、Joinでは困る。乗務員として自分の仕事を全うしうるParticipateであって欲しい。」と言われたことが思い出されます。
今年度RI会長は、タイ・バンコク出身のビチャイ・ラタクル氏です。
ビチャイ会長は「Saw the Seeds of Love」日本語では「慈愛の種を播きましょう」です。何と優しい慈しみに満ちた東洋的な言葉だろうと思いました。
今までのRIのテーマは「〜しよう」という呼びかけであったが、今回は「播きましょう」となっており、日本語訳をした佐藤千寿PGがビチャイ会長の気持ちや優しい心情を組み入れて訳したことに特別の感情を持ちました。
このテーマは、9ヵ国語に訳されますが、ドイツ語では「Rotary mit Herz und Hand」となり、直訳すると「心と手によるロータリー」とでもなるのでしょうか、ここには「愛」「播く」という言葉は出てきておりません。各国によってテーマのとらえ方が異なっているということが判ります。
私は源語に忠実でビチャイ会長の気持ちまで踏み込んだ、日本語訳がすばらしいテーマであると思っています。
このテーマは、私たちの心の奥底にロータリーの奉仕の原点を甦らせ、深い共感を呼び起こしました。このテーマのもとで、2002〜'03年度の奉仕活動を続けることに、私はガバナーとして誇りと深い喜びを感じています。
ビチャイ会長は「奉仕活動の基本は、常に愛の真心から出たものであり、慈愛こそがすべてのロータリーの奉仕活動の原動力である」と言っております。また、今年度のロータリー基本方針として、奉仕のあり方をトップダウンではなく、クラブからのボトムアップに求めています。
すなわち、「クラブの自主性が肝要で、クラブの充実こそがクラブの原点で最も大切なことである」と言っております。
さらには、職業分類のシステムを取り上げ、最近ややもするとロータリー活動で職業奉仕がなおざりにされている。一人一人が職業分類を身につけており地域の中で職業を代表して我々はロータリアンとなっている。それだけの責務があるのです。
ロータリーの基本原則は奉仕活動であります。ロータリーの定義の最初に“人道的な奉仕を行い”とありますように、ロータリークラブは奉仕を志す人の集まりで単なる慈善団体ではありません。
また、ロータリークラブは、地域に密着した存在でなければなりません。従って、地域が異なるようにロータリークラブも一つ一つ違っていて当然であり、決して横並びの必要はないということを公式訪問において述べてきました。
ビチャイ会長は、マザー・テレサの言葉を紹介し、「どれだけ沢山のものを与えるかではない。大事なのは、どれだけ満ち溢れる慈愛をこめて与えるかである」と言っております。
今年度のテーマが決定する時に、この言葉がビチャイ・ラタクル会長の脳裏にあったものと思っています。奉仕とは、愛の真心から出たもので、決して小切手を書いて行くだけのものではないということです。
ロータリーの奉仕を考える時、ややもすると理解されにくい点があり、勿論、ライオンズクラブとは異なっています。例えば、「飢えた人にパンを与える」これも奉仕の一つですが、「パンがなくとも飢えないようにする」また、「道路のタバコの吸殻を拾う」それだけでなく、「タバコの吸殻を捨てない人を育てる」ことがロータリーの使命ではないかと思うのです。
小泉総理就任時に「米百俵」の話をされました。山本有三の小説からとったもので、戊辰戦争に敗れた長岡藩に親戚藩から米百俵が送られ、当時の小林虎三郎という家来が米を分配せずに百俵が千俵にも万俵にも値する価値になるものとして、将来の長岡藩の若い世代を育てるためにお金に換え、それで学校を建て、長岡藩を建て直したいという話でありますが、ロータリーの奉仕活動も先を見越したことをやっていかなければならないと言うことだと思うのです。
ロータリーは、今、ポリオ撲滅を行っておりますが、2005年にポリオ撲滅宣言が出来れば、次にロータリーの取り組む仕事は「識字率向上」であります。
貧困、飢餓、戦争の全ての原因は、識字低下であると言われている。
ビチャイ会長は「職業分類のシステムを復活させなければならない」とし、「職業分類の原則は、地域社会の職業を代表する均衡のとれた会員組織を維持することを可能にする。これがロータリーの力の源である」と言っております。
職業奉仕を考える時、難しいと言う意見もありますが、2680地区の深川純一PGが職業奉仕の例として、ある菓子屋の話で、午後3時頃になるといつも売り切れとなり、友人から、客のため何故沢山作らないのか?と言われ、これに対し、現在の設備で生産能力を超えて作れば粗悪品が出来ることになる。これは却って客に迷惑をかけ信用を失うことになる。信用は事業する者にとって金銭をもってしては計り知れないほど価値があると答えた。これが職業奉仕である。
最近、客を欺くといった不祥事が数多く見受けられ、職業倫理が低下している現れではないかと思います。
もう一つ大切なことは、「例会出席」ということです。ロータリーには数多くの規約があり、規約があると言うことは、それだけ例会出席が大切であるという証拠であります。
例会出席の意義を一人一人のロータリアンが再認識する必要があるのではないでしょうか。
ロータリーは理解するものではなく、身につけるもの、即ち体得するものです。ロータリーの体得は、例会出席で得られます。例会で自分と職業を異にする、しかも、その職業を代表するような人との交流・意見の交換によって自分を見つめ直すことができるのではないか、それが自分自身の成長に結びつく。そこに例会の意義があります。
最後になりますが、ロータリークラブは地域に密着した存在でなければなりません。
1年1年のカラーが違っている、デコボコがある、それがモザイクの様に組み合わされ、連なってこそ、歴史と伝統というものが形成されていくのではないかと思います。
ビチャイ会長は次のように言っておられます。
「慈愛の種を播くために、私たちはクラブから始めなければなりません。ロータリークラブはロータリーの心であり、魂であります。充実したクラブなくしては、充実したロータリーはあり得ません。」
今日は最後の公式訪問であります。母の懐に帰って来たような感じでありまして、まさにクラブの皆様の慈愛を身一杯受けているということを感じております。
63クラブを訪問した中で、福島ロータリークラブが最も優れているクラブであると思います。
ご清聴を感謝申し上げます。