イラク政府は13日、国連安全保障理事会がイラクに対し「無条件、無制限査察」などを求め採択した「大量破壊兵器査察、廃棄決議」を受け入れた。
サダム・フセイン大統領の最終決断によるもので、国連を再三批判していたイラクが受諾に踏み切ったのは、米英両国の提案に仏・露・中が同調、さらに非常任理事国の全部が賛成、全会一致で採択したことを重視したためである。このため、アメリカの対イラク武力行使は当面回避された。
しかし、決議を受諾したとはいえ、近く開始される国連の査察にイラクが本当に“無条件”で対応するかどうかが問題だ。安保理決議は「重大な違反」を犯せば「深刻な結果に直面する」と警告しており、「戦争か平和か」の“危機”はまだ当分つづく。
なにせ、イラクは名にしおう「独裁・軍事国家」である。面積43万8千平方キロ、人口は2,300万余。「共和国」を標ぼう、国会はあるが、議員は選挙でなく大統領の直接任命。その大統領のフセインは1937年生まれの65歳。79年大統領に就任、すでに2期を経たが、この間、首相、軍事最高司令官、革命指導評議会議長を兼ね、文字通りの最高権力者。最近、実施した3期目の国民信任投票では、現実にありえないはずの「100%支持」で世界の冷笑を買った。この国には北朝鮮と同様、ロータリークラブは存在しない。
そんな国なのだから、私たちの「常識」は容易に通用しないが、かつて「鉄のカーテン」をめぐらしたソ連が、ミハエル・ゴルバチョフ大統領の手によって大革命、今日のロシアに再生したことを思えば、イラクの“鎖国政策”にも遠からず限界が訪れるだろう。
ゴルバチョフ氏は80年代、RI代表団を初めてソ連に抑え入れ、RC設立をバックアップした。現在、ロシアのRCは71クラブを数える。90年度のノーベル平和賞に輝き、今年のRIバルセロナ世界大会では記念講演を行った。時代、世界は確実に変わりつつある。