福島ロータリークラブ【例会】
例会日:平成13年6月7日(木) 12:30〜 
例会場:ホテル辰巳屋8F 
会長あいさつ  木下 隆 会長 
 福島市内のロータリークラブの区域限界問題はようやく最終的決着がつきました。6月4日午後6時から辰巳屋で合意書への署名会が行われました。富永健男ガバナー、鈴木邦典地区幹事、田中善六・岩崎稠PG、阿久津肇GN、白岩康夫県北第一分区代理、氏家又治郎第二分区代理、それに市内6クラブ、新しく誕生する21クラブの会長、幹事さん、新クラブ設立に尽力された斎藤浩・特別代表(福島南クラブ)も列席されて大変な大会合となりました。

 富永ガバナーから、こうした決着をみてよかったというお話があり併せて、今期の2530地区は会員増強や財団等で良い成績をあげたので、国内R.C.の中でも優秀地区として表彰されるようで大変光栄に思っている。皆さんのご活躍に感謝するとの言葉が述べられました。

 あと私から区域限界だけは何とか決着させなければと思い、少し強引なところもあったけど「皆のためになるかどうか」という立場でやりました。出すぎたところがあったことはお許し願いたいとあいさつしました。

 続いて合意書に6クラブ会長が署名しました。田中PG、岩崎PGからもごあいさつがあり、この問題の発端となった21クラブの宗形守敏会長からごあいさつがありましたが、感激で声をつまらせられる場面もあり、新クラブ設立というものの大変さを実感いたしました。
 署名のあと親睦会となり楽しいお酒を飲んできました。
 のちほど、親睦委員会からお話があると思いますが、日曜日、今期最終のゴルフコンペに出て参りました。疲れ果てまして今日まで立ち直れないでおります。

スピーチ シリーズ「夢」第9回「人が夢をみるとき」 福島医大神経精神医学講座 丹羽 真一 教授 
A.夢の舞台  ―睡眠の実際―

(1)睡眠深度について

 Rechtschaffen&Kalesの睡眠段階分類を中心に述べる。睡眠深度は急速眼球運動(rapid eye movements:REMs)の有無によってNREM(ノンレム、NREM)睡眠とREM(レム)睡眠に区別される。さらに、NREM睡眠を睡眠第1〜4段階(stage1〜4)に区分している。NREM睡眠においては、背景活動は軽睡眠期(stage1〜2)では低振幅徐波傾向がみられるが、その後は睡眠深度が深まるにつれて次第に高振幅徐波化するという一定の傾向がある。

(2)REM(レム)睡眠(REM sleep)

 夜間睡眠では、入眠後90分程度経過すると心拍、呼吸等のリズムが不規則となり、急速眼球運動(REMs)がみられる睡眠相が出現する。脳波像は入眠直後のものと同様の全般性低振幅徐波パターンである。しかしながら、頤筋筋電図の振幅はNREM睡眠期のいずれの期よりも著しく低下している。

 この時期では外来刺激によっても容易には覚醒しない。この睡眠を一般にREM睡眠という。この時期の睡眠には逆説睡眠(paradoxical sleep)などさまざまな呼び方があったが、現在ではRapid Eye Movement Sleepを略したREM(レム)睡眠の用語が普及している。これに対してその他の睡眠相をNREM sleepという。

 脳波的睡眠段階を縦軸に、1夜の時間的経過を横軸にとって描いた図1のようなグラフを、ポリソムノグラム(polysomnogram、睡眼ポリグラム)と呼ぶ。

 通常、REM睡眠はほぼ90分間に1度20〜30分程度持続して出現する。その後は寝返りとともに短時間の覚醒ないしは浅い睡眠相となり、ついで睡眠相が再び順次深まっていくという経過をとることになる。健康成人の夜間睡眠は、おおむねこのような順序で、全体で1〜2時間の周期で一晩に3〜5回くり返されるが、夜間前半にはNREM睡眠相が多く、後半(明け方近く)にはREM睡眠相が多くなる傾向がみられるが、昼間睡眠においては必ずしもこのとおりではないことは興味深いことである。一般に第4段階は第1回目の周期にもっとも著明に出現し、睡眠の前半期に多く、後半期すなわち明け方に近づくにつれ少なくなる(図1)。これに対してREM段階は、周期の回数を重ねるにつれて持続時間が長くなる。

〔図1〕 ポリソムノグラフ(Polysomnogram)
健常成人(36歳男性)
B.夢の精神生理学

 夢は主観的体験であり、そのヒトが夢をみたかどうかは、ひとえに覚醒後の陳述に依存する。

 AserinskyとKleitmanが睡眠のREM期において夢をみているという報告をしてから、にわかに夢とREM期の関係が論議されるようになった。一方、NREM期にも夢をみることは知られているが、REM期に比して夢の想起は少なく、また夢の内容もいきいきした(vivid)ものが少ないという。大熊によるとREM期とNREM期の夢の想起率は、前者は73%、後者は23%である。

 ところで、ただ単に夢といっても真の夢dreamか、考えごとthinkingかを一応区別する必要がある。新見と堀は「夢は感覚心像をもち、かつこれは明確で表象としてより知覚としての性格をもち、個々の心像は構成の複雑性と連続性を保ちながら相互に統一され、それ自体で一つ以上の内容をもったドラマが形成されている場合」と定義している。

(1)REM期と夢

a.REM期の長さと夢の長さ

 DementとKleitmanは、5名について眼球運動開始から5分と15分後とに目ざめさせて、夢の有無とその長さを聴取したところ、5分後に目ざめさせたものは51回のうち45回はほぼ5分くらいだと答え、15分後にめざめさせた場合は60回のうち47回が正しく約15分と答えたという。このことは夢の最中にかなり正確な時間評価ができることと、REM期の長さは夢の長さとほぼ対応することを示している。

b.急速眼球運動密度REM densityと夢内容

 REM期中の眼球運動の出現頻度すなわちREM densityまたは%REMsが、夢の想起率や、その内容の鮮明さ、色彩の有無など、夢の質的側面とよく対応するということがいわれている。竹尾の正常成人についての実験結果では、REM密度が高まるにつれて、複雑な夢や、色彩のついた夢が多くなるという。

(2)NREM期と夢

 前述したごとくNREM期中にも夢をみることはあり、DementとKleitmanの実験でも7%と報告されている。福間もNREM期の35%において夢をみたという報告が得られたが、REM期の夢に比べて、内容を想起できないものが多く、また明断さ、複雑さ、奇異・不合理さを欠くものが多いという。

(3)夢と個人差

 従来、夢をよくみるヒトとあまりみないヒトがあるということは、日常よくいわれていることであり、Freudが夢における象徴的表現から、夢の目的や内容は願望充足としての特徴があるとして、夢判断(夢解釈)Traumdeutungを創始したことは有名なことである。

(4)REM睡眠期に夢見がおきるのは?

 REM睡眠期に夢が出現する神経機序(図2)は、REM期は長いNREM睡眠によって現実世界から時間的に隔離されていること、視覚性、聴覚性入力の極度の減少、抗重力筋の緊張低下による筋・関節などからの自己受容性インパルスの減少などによって、眠っている人は空間的にも外界から隔離されていて、いわば感覚遮断に近い状態にあること、しかも大脳皮質の活動水準は覚醒時より低いがこれに近い水準にあり、ある程度の精神活動が可能であること、辺縁系の活動水準がかなり高いので記憶が思考の素材として利用できること、急速眼球運動の群発に伴って視覚系に興奮が起こり視覚的記憶映像がよび出されること、などによるものと思われる。このようなREM期においては、夢みる人は、種々の外的あるいは内的刺激によって次々と想起される過去の記憶映像を素材にして、半ば自由連想のように夢のストーリーを作っていくが、REM期には大脳皮質機能がやや低下しているために、これらの記憶素材は覚醒時のように明確化され合理的に選択、配列されて論理的思考を形成するにいたらず、思考は原始的な様式をとり、観念は映像化・具体化し、論理的関連が弛緩して、夢特有の体験が出現するものと考えられる。

〔図2〕 レム段階に夢が出現するメカニズムの模式図
C.睡眠の機構と加齢による変化

(1)睡眠の機序

 睡眠の発現機序はまだ十分には明らかになっていない。NREM睡眠に関係が深い部位は古典的な睡眠中枢である視床下部前部、レム睡眠の中枢はこれよりも下位の橋網様体付近と考えられてきた。睡眠の神経化学的機序については、最初はアミン仮設があり、REM睡眠は青斑核で産生されるカテコールアミンと関係が深く、NREM睡眠は中脳・橋付近の縫線核rapheで産生されるセロトニンによって支えられるとされた。しかし最近の考え方では、橋の青斑核腹側部(LCα)とその内側の網様核(peri−α)を含む背内側被蓋野ならびに延髄の大細胞網様核の主としてコリン作動性ニューロンがREM睡眠の中枢を形成し、これによって脳波脱同期化、眼球運動、筋緊張消失を起こす上行・下行路が駆動されてREM睡眠の諸現象が起こる。(図3、4)  NREM睡眠(徐波睡眠)は、ポリペプチドなどの睡眠(誘発)物質(デルタ睡眠誘発ペプチド、ウリジン、ムラミルペプチド、プロスタグランジンD2など)が覚醒系を抑制し、延髄網様体から前脳基底に至るNREM睡眠関連部位を活動させることによって発現するとされている。

〔図3〕 睡眠に関係すると考えられる神経機構の模式図
レム睡眠:青斑核(LC),青斑核α(α),peri−α(P)が中心となり、延髄の大細胞網様核(MC)を介して筋緊張低下を生じ、LCおよびその付近の背内側被蓋野からの上行経路により脳波の脱同期化およびPGO波を生じ、またPGO波に関連して外転神経核(VI)を介して急速眼球運動が現れる。レム睡眠の発現には、コリン作動性ニューロンが主役を演じる。

  ノンレム睡眠:覚醒系の中脳網様体(MRF)、視床下部後部(HP)などが抑制され,睡眠物質により前脳基底部(BF)などが活動してノンレム睡眠(徐波睡眠)が出現する。破線で囲んだのは脳幹部の縫線核(RAPHE、セロトニン系)、THは視床。

〔図4〕 化学伝達物質からみた脳内の神経回路(Morgane,P:The Sleeping Brain. Chase,M..ed.,1972より)
5HT作動性(B)、NA作動性(A1〜A7)、DA作動性(A8〜A10)系路が内側前脳束において合流している。

A6(青斑核)と縫線核のあいだにも広範な関係がある。

A9は黒質緻密質、A10は腹側被蓋野。

(2)加齢による睡眠の変化

 図5は1日の睡眠時間、そのなかでREM睡眠、NREM睡眠が占める割合の、加齢による変化を図示したものである。新生児では1日の睡眠時間が16時間あり、その約50%がREM睡眠である。乳幼児期にREM睡眠は急激に減少し、成人とほぼ同じレベル(約20%)になる。老年期には中途覚醒の増加などで夜間の睡眠時間が短縮するが、そのなかでのREM睡眠時間の割合もさらに減少していく。60〜90歳代の老人ではREM睡眠の出現率は年齢と負の相関を示すという。

 睡眠経過の面からみると、老人においては頻回な中途覚醒のため睡眠は分断されるが、REM睡眠の出現の周期性は認められる。老年者では入眠潜時の延長を認め、各睡眠段階率の比較では、老年者は若年成人に比し、中途覚醒と浅睡眠(stage1)の増加、REM睡眠の中等度の減少、徐波睡眠(stage3と4)の著減が認められる。また、睡眠前半の徐波睡眠が著減しているため、REM睡眠の出現が睡眠の前のほうへ移動している。


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