福島ロータリークラブ【例会】
例会日:平成12年12月7日(木) 12:30〜 
例会場:ホテル辰巳屋8F 
三宅 喬会長エレクトあいさつ   
 只今は、年次総会におきまして、2001〜2002年度における第51代の役員・理事をご選任いただきありがとうございました。

 50年という歴史と伝統のある福島クラブの会長として私自身、適正なのか、はたして務まるものなのか不安と緊張でいっぱいであります。幸い有能な理事、役員の方々を選任していただきましたので、その方々のご協力を得て精一杯頑張る所存でありますので何とぞ、会員、皆さま方のご支援を心よりお願い申し上げます。

 次年度の委員会構成および活動方針につきましては、会長エレクトセミナー、地区協議会等をうけて考えて参りたいと思っております。ただ現在思っておりますことは、昨年度のIMのテーマでありました「21世紀のロータリーはどうあるべきか」を当クラブにおきましても真剣に討議がなされるべきではないかと思っております。どうか会員皆さま方からの、この点につきましてのご提言をお寄せいただければ幸いに存ずる次第です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

◆新会員スピーチ「夢」 福島県立医科大学 教授 加藤 桂一郎会員 
 最近の眼科の話題の中から「機能眼科学の一部を制御すること」「論理的思想の積極的導入を図ること」の2つを私の「個人的・夢」として述べてみたいと思います。

「機能眼科学の一部を制御すること」
 私が機能眼科学に興味を持ったのは、昭和37年、故・梶浦教授からいただいた研究テーマ「不等像」が契機でした。不等像とは左右の網膜像に差がある場合を言い、物体の歪み、奥行きの感覚の違和感等、種々の両眼視異常をおこすことが知られています。当然のことではありますが、眼精疲労、融像困難などの不定愁訴がおこってきますが、どう対応すべきか?日本の研究者は少なく未知の分野でした。臨床的には白内障術後、不同視眼の眼鏡矯正等で問題となります。白内障術後の矯正は「眼内レンズ」の開発、臨床応用によって解決をみていますが、不同視眼の眼鏡矯正は現在も大きな課題となっております。

 さて、眼科の臨床においての最終目標は、屈折矯正を含めた良好な視機能の確保にありますが、日本の眼科臨床では手術・薬物を用いた治療学が中心で、どうしても視機能の研究は等閑にされる傾向にあります。
 米国におきましては既に100年以上の歴史を持つOptometrist制度が確立されており、眼鏡、Contact-lensをはじめとする視機能の研究は彼らに任されておりますが、日本ではこれに相当する職種はないのが現状です。
 ちなみに、国際Rotary会長のフランク・J・デブリンはOptometristであり、眼科医とOptician(眼鏡士)の間の架け橋として活躍されております。日本にはこの職種がないため、私ども一部の眼科医がその役割を担ってより良い視機能の確保に努めているのが眼科医療の状況で、憂うべき現状と言えます。

 さて、主題に戻りますが、現在巷を賑わしているものに「近視手術」のCampaignがあります。主に運動選手が中心ですが、11月20日号の「アエラ」によりますと、錚々たるmemberが登場いたします。
 米国では、プロゴルファーのタイガー・ウッズ、大リーグのグレッグ・マダックス投手、アメフトのトロイ・エイクマン、芸能界のブラッド・ピット、ニコール・キッドマン、シンディー・クロフォード、日本ではプロ野球の巨人の槙原、ヤクルトの土橋、西部の松坂、プロスキーヤーの海和などがおり、それぞれ「近視手術」のCampaignに一役買っておるようです。そもそも、近視の手術は日本で最初になされた手術(順天堂大、佐藤勉教授)であり、1939年角膜を平坦化する「放射状角膜後面切開術」として脚光を浴びたものです。その後19年間に681眼にこの手術が行われましたが、角膜が混濁する水疱性角膜変性症が非常な高頻度(半数以上)に見られたため(現在も発症!)中止されました。

 1971年になってソ連のFyodorovが[1]RK「放射状角膜前面切開術」(Radial Keratotomy)を行い報告、1990年頃までソ連、米国において普及することとなった。この手術は中央数mmを残し、周辺に放射状の切開線を入れ角膜の扁平化を図るものである。しかし種々の合併症(グレア、視力の動揺等)が多いため現在はほとんど行われていません。現在行われている手術法には[2]PRK(Photorefractive Keratektomy、1985年頃から)と[3]LASIK(Laser in situ Keratomileusis、角膜を彫刻する意、1994年頃から)があります。これは、厚さ0.5mmの角膜から、組織を凸レンズとして必要なだけ取り去り(近視矯正の凹レンズをかけたと同じ効果を狙う)、正規化を狙うものです。

 ここでこれらの手術法について、幾つかの問題点を挙げておきます。(詳細略)
 すなわち
[1]遠隔成績がない
佐藤教授の手術 → 半数以上が角膜混濁(継続中)
RK → 数年前よりグレア・視力低下の問題がおこり、下火
PRK・LASIK → ??
[2]10−20年後の「老眼(老視)期」にどう対応するのか
弱度・中等度の近視は老眼に強い!
眼鏡を外せば見える
40−80歳という熟年・高齢期(老視期)が非常に長い
[3]眼内外のバランス(角膜が薄くなる)の変化、視力の変化(日差)
眼球の脆弱化(角膜が薄くなる)
[4]グレア(眩しさ)の発生
[5]屈折矯正手術の結果は、成功率(K眼科のデータ)ではなく、
不成功率からみて検討をする必要がある(インフォームド・コンセント)
[6]視力の質の劣化(漢字国の悲哀)、欧米とは同一に考えられない
[7]過矯正(遠視化)は非常に深刻 → 遠近ともに眼鏡要
[8]医師のインフォームド・コンセントの方法によって、諾否が左右される
半数以上は非?眼科専門医
自由診療(1眼30万円程度)
器具が高額(6,000万円以上で、年間メンテナンスも高価 → 患者負担)
[9]患者の職種選択が重要(屋外・室内労働者?)
Campaignの人種?は全て屋外(スポーツ選手)、技術職は別

等である。

 私の基本的意見としては「非常に美しい神から授かった目」に彫刻はして欲しくはないし、いずれ結果は出ることと思う。ともあれ、現在の眼科学は眼機能として考えた場合、十分であり、これ以上おかしな方向に進んで欲しくはない、というのが私の本心である。
 叶えられそうもない「夢」でもある。


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